デジタルマーケティングってなに?Webマーケティングの違いを解説!
今回のテーマは「デジタルマーケティングとWebマーケティングの違い」です。最後まで読んでいただければ、デジタルマーケティングにおいて必要なスキルやデジタルマーケティングの今後が分かります。
それでは本題に入ります。
マーケティングとは、顧客(消費者)に企業の商品・サービスを購入するために販売促進する仕組みを作ることを言います。そのマーケティングにもいくつかの種類があります。
現在、IT界隈で多々現れるバズワードの「デジタルマーケティング」と「Webマーケティング」には共通箇所が多く、同じものや似ているものとして認識されています。ただ、この2つのワードにはそれぞれの定義があり、相違点が明確に存在します。この記事では、この2つの違いとデジタルマーケティングのポイントについて解説していきます。
デジタルマーケティングは、今から25年以上前の1994年、オンライン雑誌「HotWired.com」に米国大手電話会社のAT&T社が世界初のバナー広告を掲載したことにより始まりました。デジタル化が急速に進んでいる現在を考慮すれば、今後のマーケティングで活躍することは間違い無いので、今回も長いですが最後まで読んでいただけたらと思います。途中休憩を入れつつ、小分けにして読んでいただくこともおすすめです。
デジタルマーケティングとWebマーケティングは範囲が違う!
そもそもWebマーケティングとは
Webマーケティングという名前にあるように、「Web(サイト)を軸において考えるマーケティング」です。具体的に以下のものがWebマーケティングとされます。
集客施策
- SNS運用
- SEO対策
- ネット広告
- メールマーケティング
接客施策
- LPO
- WEB接客ツール
- EFO
顧客となる人に来てもらう施策(集客施策)
- 検索エンジンなどからのアクセス数を上げるために、メディアのSEO対策をする
- Google広告・Yahoo!広告などで検索結果のページに表示してアクセス数を伸ばすリスティング広告
- GDN(Googleディスプレイネットワーク)・Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)などの広告枠を持つ複数のメディアを集めて、広告配信ネットワークを作り、そこで広告を配信するアドネットワーク広告
- Webサイトや個人や企業ブログ、メールマガジンに広告リンクを貼って販促するアフィリエイト広告
- 一度サイトに来たことのある顧客に対し、再度広告を配信するリターゲティング広告
- 企業のTwitterやFacebookなどを運用してファンを作るSNS運用
- 顧客となる人にメールを送るメールマーケティング
集客後に購買に繋げるための施策(接客施策)
- 流入した後に顧客となる人を、Webサイト内でコンバージョン(申し込みや購入)に誘導するためのリードナーチャリングを行う
- クリックして最初に表示されるLP(ランディングページ)を顧客のニーズに合わせることで、CVR(コンバージョン率)を上げる(LPO、ランディングページ最適化)
- チャットボットなど、接点の質を向上させ、顧客の購買意欲を高めるWeb接客ツール。Web接客ツールには、滞在回数や時間に応じてポップアップを表示させる「ポップアップ型」・リアルタイムでチャットを通じて顧客とコミュニケーションをする「チャット型」の2つのタイプがある。
- 顧客がどこからサイトに流入してきてCV(申し込みや購入)に繋がったのか分析して、より顧客に繋がるような施策の効果測定する
- Webサイトに設置された入力フォームをサイト内にアクセスした顧客が入力しやすい流れを作りCVRを向上させるEFO(入力フォーム最適化)導入する
以上がWebマーケティングの施策の具体例です。
デジタルマーケティングとは
デジタルマーケティングを簡単にいうと、Webマーケティングよりも広い範囲のマーケティングです。画像をご覧いただくと分かりやすいのですが、マーケティング>デジタルマーケティング>Webマーケティングでデジタルマーケティングの中にWebマーケティングが包含されています。デジタルマーケティングには以下のようなものがあります。
マーケティング
デジタルマーケティング
WEBマーケティング
- 広告(リスティング広告など)
- アプリケーション
- 電子メール
- SNS
- IoT
- チャットボットの導入
- ブログ
- ebook
- トリプルメディア(オウンドメディア ・ペイドメディア・アーンドメディア)
- デジタルポイントカード
デジタルマーケティングの定着はスマートフォンの登場が要因
なぜデジタルマーケティングがこれほどまでに定着したのかというと、要因の一つとしてスマートデバイス(スマートフォンやタブレットなど)の登場があげられます。
現在24時間365日、老若男女問わず場所や時間を選ぶことなく利用されているスマートデバイス。ほとんどの知りたい情報はインターネット上にあり、すぐに情報を得られます。特にスマートフォンを利用している人は多く、その利用者の大半がスマートフォンで商品やサービスを検索し情報を得て、そのままネット上でサービスの利用または商品を購入する人もいます。また、その商品やサービスの情報をSNSを使って他の人に口コミとして発信します。企業は顧客の口コミによってその企業の商品やサービスの良し悪しが問われます。ここで企業は、デジタルマーケティングによって顧客が欲しいと思う商品やサービスにするために、データを使って質の向上やの購買に繋げる施策を打ちます。スマートフォンなどのスマートデバイスはすぐ商品やサービスについて調べることができるので、顧客が気になると思うようなマーケティングが必要になります。そのため、企業のブランディングも重要となります。
デジタルマーケティングを活用するメリット
デジタルマーケティングはWebマーケティングより幅広い分、複雑で扱いにくいと考えている方も多いと思います。しかし、企業でデジタルマーケティング導入による施策を打つことで得られるメリットは多くあります。IT化が進む現在では顧客の満足度を上げることや新規顧客の獲得をするなど、企業がグロースするためにはデジタルマーケティングの導入は必須だからです。それではデジタルマーケティングにはどんなメリットがあって、なぜデジタルマーケティングが必要なのかを解説していきます。
CRM施策がより高いレベルになる
ビジネスにおいて顧客(ユーザー)情報を管理し徹底的に分析すると、顧客のニーズに沿った商品・サービスを提供することができるので、顧客の満足度をあげることやより多くの顧客を獲得することが出来ます。この管理をCRM(Customer Relationship Management、顧客関係管理)と言います。CRMは企業が顧客を優先して商品・サービスを考えることで、企業と顧客が親密な関係になり相互の利益向上を目指すマネジメント手法です。デジタルマーケティングでは、Webマーケティングの施策で解決できる範囲よりも広い範囲の顧客情報を取得して分析することや、複数のチャネルを使うことによって様々なニーズに対応することができるので、幅広い顧客に合わせたマーケティング施策を打つことが可能です。また、デジタルマーケティングでは顧客情報を一元管理することで幅広い情報を蓄積することが可能なので、顧客の行動や施策の効果を分析することでPDCAサイクルを回し高度なCRM施策を行うことができます。
粒度の高いターゲティングが可能となる
取得する顧客情報が幅広いため、ターゲットとなる顧客の属性(性別・年齢・業種など)がより具体的なものとなります。ターゲットの粒度が高いということは、特定のターゲットに施策を打って効果測定をした時にどの属性により効果があるのか検証できるので、より効率的な顧客の増加が見込めます。特定ターゲットのニーズが違うものであるならば、違う属性のターゲットで効果測定して、的確にターゲットを絞りマーケティング戦略を実行することができます。
マーケティングコミュニケーションの精度が上がる
4C
- 顧客視点
を重視 Consumer Value
- 顧客対しての価値
Cost
- 価格
Convenience
- 利便性
Communi
cation- コミュニ
ケーション
4Cと4Pは
対になっている
4P
- 企業や売り手視点
を重視 Product
- 商品や
サービス Price
- 価格
Place
- 流通
Promotion
- プロモー
ション
企業ブランディングを向上させるには、マーケティングコミュニケーションを改善することが必要となります。マーケティングミックス(マーケティングにおける実行戦略)の代表例としてよく知られている「4C(Consumer value・Cost・Convenience・Communication)」・「4P(Product・Price・Place・Promotion)」は、企業側視点が4Pで顧客側視点が4Cという相関関係にあります。デジタルマーケティングでは、企業の商品やサービスなどを顧客に知ってもらうことや、購入してもらう接点を作るマーケティングコミュニケーションと呼ばれる4Cの「Communication(顧客とのコミュニケーション)」と、4Pの「Promotion(顧客へのプロモーション)」の設計がより質の高い顧客獲得に繋がります。具体的には、次のような手法がマーケティングコミュニケーションとして扱われています。
- Web広告やテレビCM、ポスターなどの広告やPR
- 広告で知ってもらった商品やサービスに付加価値を与えることによる販売促進
- 商品やサービスの認知や拡散をすることでより具体的なイメージを持たせる目的を持つイベント
- 特定のターゲットに絞って顧客に直接的に電話や電子メールでコミュニケーションを行うダイレクトマーケティング
- イベントなどでの実演販売や訪問販売
広義のマーケティングでは顧客に直接対面で接触し、商品やサービスの人的販売などの顧客に接点を持つものが、基本的なマーケティングコミュニケーションの手法として存在します。その一方でデジタルマーケティングでは、オンラインで扱うマーケティングコミュニケーション設計の認知から購入までの流れを、より顧客に効果的なアプローチすることを可能としています。どこから商品やサービスを認知して、どのような販売促進によって購入を決めたのかを、細かいデータで収集でき、その収集したデータによって広告や販売促進の質の向上ができます。
マーケティングによる改善がより効果的になる
デジタルマーケティングでは、マーケティングプラットフォームなどによってリアルタイムでデータアナリティクス(顧客情報を分析することや、顧客がサイト内の行動やどのページ・広告から来てCVしたのかを分析すること)ができます。つまり、ターゲットとなる顧客の情報をピックアップし分析することができそこから導き出された顧客に刺さる広告を打ち出すことで、マーケティングが効果的なものになり、企業の商品やサービスの販売が促進されます。また、トラッキングすることでどの広告から来る顧客がCVRが良いのか悪いのかが判別できるので、ROAS(Return On Advertising Spend)が高いものとなります。
デジタルマーケティングの事例
デジタルマーケティングによって課題を解決して、大きくグロースした企業はいくつもあります。デジタルマーケティングは大企業・中小企業関係なく導入することができ、顧客のニーズに答える戦略を立てられるだけではなく、タスクの簡略化などによって企業の課題も解決できます。以下でどういった事例があったのかを見ていきたいと思います。
【事例①】JINS
課題
- 業務を標準化することで無駄な運用コストを削減したい
- 業務効率をあげることで空いた時間を有効活用することにより創造的な業務はできるようにしたい
- 業務を簡易化することによりスピード対応を可能にしたい
デジタルマーケティング施策を実施した後
ERP(企業資源計画)や国内外の基盤システムを統一することで、業務を標準化してコストを大幅に削減を達成しました。Excelを入力ツールとして使えるようになり業務効率が向上しました。
【事例②】NISSAN
課題
- 顧客となる人が気軽に商品の説明や体験ができるウォークイン型店舗(ショッピングモールなどの商業施設内にある集客用店舗)から販売店へのどのくらい顧客となる人を送れているのか効果を計測したい
- カスタマージャーニーに基づいた最適なプロモーションを実施したい
デジタルマーケティング施策を実施した後
デジタルマーケティングのリアル来客分析システムを導入することで、どのくらい送客効果が出ているのか可視化することが出来るようになりました。ウォークイン型店舗から誘導した人と実際に販売店に来た人をデータとして収集することで、マーケティング施策の見直しが可能となりました。また、ペルソナ(企業の商品やサービスを購入してくれる典型的な人物像)の行動パターンや思考、感情を時系列で可視化するカスタマージャーニーで顧客との接点や場所、タイミングを適材適所で発信することができます。元々、顧客にアンケートに回答してもらうことで情報を蓄積していましたが、デジタルマーケティング導入によって1ヶ月以内に販売店に来店した顧客の成約率が高いなどの情報を明確化し情報蓄積することができ、それを使った戦略を打つことが可能となりました。
デジタルマーケティングにおける知っておきたいポイント
デジタルマーケティングは、複数のチャネルに通じたマーケティング施策を考えるので、その際に知っておくべきポイントがいくつかあります。マーケターとして知っておきたい基本的なポイント、身に付けたいスキルのほかに、デジタルマーケティングには、どういったポイントがあり何が必要になるのか見ていきます。
デジタルマーケティングにおけるマーケターに必要なこと
デジタルマーケティングにおける企業のマーケターは、様々なチャネルを活用し顧客情報を分析し、Webマーケティングよりも顧客との深いコミュニケーションを取っていくことで今まで以上の成果を残すことが可能になります。マーケターに求められるものも、これまでやってきたマーケティング施策とは規模などが違うため、責任や考え方も変わります。そこでデジタルマーケターにはどんなことが必要なのかを挙げていきます。
顧客から得たデータの分析力
デジタルマーケティングは複数のチャネルを活用しているので、その分データ量もWebマーケティングに比べ多くなります。そこで得たデータは、新規顧客獲得や顧客を認知から購買までに繋げるために、購買意欲の高い顧客層やCVRが高い広告の傾向を把握する上で大いに役立ちます。このデータの分析をする能力はマーケターにとって必須条件です。
分析結果から施策を立案する力
デジタルマーケティングでは、メディアのPV数・広告のアクセス数・メールの開封率などを分析した結果を元に施策を立案し、仮説検証を行います。この時に立案する施策は、効果が大きく見込め、なおかつ費用も抑えられるものであることがベストです。費用を低いものにしようとしてCVRが低くなるのは本末転倒ですので注意しましょう。その結果をまた分析して、改善できる箇所を洗い出し、改善案を練って施策として立案・仮説検証を繰り返すことで、顧客のニーズに合ったコンテンツを作ることができます。こういった施策を立案する力や泥臭く仮説検証を繰り返す根気強さもマーケターには必要となってきます。
CVに繋がるように行動する考え方
前提としてマーケティングは「商品やサービスにファンを増やし、販売促進をする」ということですので、顧客に認知されるためだけの施策を考えたり販売戦略を考えるだけではなく、明確なゴール設定をしてそこに繋げるにはどうするか考えて行動すること必要となってきます。また、ゴールのプロセスにKPIなどを設定する際も、デジタルマーケティングでは従来のマーケティングと違い、顧客データを一元管理することで顧客が認知して購入するまでの行動を明確に測定できるので、コンバージョンポイントを売り上げと近い指標を置くことも良いです。
コミュニケーション能力
このコミュニケーション能力は、顧客に対するコミュニケーションと、チームメンバーや企業内のメンバーに対するコミュニケーションの2つを意味します。顧客に対するコミュニケーションとは、顧客が解決したい課題や施策にかける費用の予算などをヒアリングして明確に問題点を洗い出せるスキルです。これが身についていれば、顧客のニーズに合った解決案を提示することができます。マーケターは時として営業をすることもあります。コミュニケーションを密に取ることは、顧客関係の構築にダイレクトに影響を与えるので、ヒアリングをして自分が提供できることを模索することが重要となります。また、商品やサービスを開発するエンジニア担当者や営業担当者など、各々の担当分野の違いで認識にズレが生じる可能性があります。そのため、メンバーに対するコミュニケーションも同じく密に取る必要があります。この時に共通言語(メンバーが同じ認識している言語)でコミュニケーションを取れるよう、常にメンバー内や社内の情報をキャッチアップ出来るような心がけをしましょう。
基本的なITの知識
デジタルマーケティングにおいてITの知識は必須条件です。新しい手法のマーケティング戦略を立案する際にも、その基盤となる知識が無ければ案を作成することは出来ません。また、チームメンバーと共通言語を話す際にも基本的なITの知識が無ければ会話にならないので、最低限の知識を身につける必要があります。その上でAIやIoTに関する知識やプログラミングスキルなどを身につけると、より高度な戦略を立案することができたり、コミュニケーションが円滑に進みます。
情報をキャッチアップする
SNSやWebサイト、アプリなどのチャネルを使ってマーケティング戦略を考えるので、企業の商品やサービスに関する情報・流行の情報・ベンチャー企業であればベンチャー界隈の情報など、キャッチアップ量はマーケティング戦略において大きな武器になります。日々進化するITに関する情報はプレスリリースやTwitter、Facebookなどを利用することで円滑にキャッチアップすることができます。
4.2デジタルマーケティングにかかる費用
デジタルマーケティング戦略に必要な費用は、企業も慎重に考えるべき点です。マーケティング戦略においては効果が大きく費用がかからないものを採用して実施していくことが重要です。その上で、マーケティング担当者はどのマーケティング戦略をするかによって費用はどのくらい変わって来るのか、どのくらいの効果が出て、どのくらいの顧客を獲得し売り上げが出るのかを仮説を持って検証する必要があります。
アウトバウンドマーケティング
企業側から潜在顧客(顧客となりそうな人)や見込み顧客に対し直接的にアプローチして、認知または購買に繋げるプッシュ(押す)型のマーケティング手法です。
アウトバウンドマーケティングの手法として、メディア広告・ダイレクトメール・テレマーケティング・展示会などのイベント・テレビCMなどが代表的なツールとされています。アウトバウンドマーケティングのメリットとして、マス(不特定多数)に向けたアピールが可能なため、人の目に止まりやすく、幅広い層に認知されることや予算によるROI予測が立てやすく即効性があります。デメリットとしては、高いコストがかかる可能性があるので、効果がコストに依存しやすい点と、マス向けなので商品やサービスに興味を持たない層が現れるというところです。
インバウンドマーケティング
企業側からではなく、潜在顧客や見込み顧客から企業の商品やサービスを見つけてもらうことが目的であるプル(引き込む)型のマーケティング手法です。
インバウンドマーケティングの手法として、公式サイト・ソーシャルメディア・ブログ・メルマガ・検索エンジン・SNSなどが代表的なツールとされています。インバウンドマーケティングのメリットとして、SNSやメディアは低コストで始めることができ、ターゲットとなる潜在顧客や見込み顧客をよりピンポイントに絞って狙えます。また、潜在顧客から能動的に選んで貰えるというところも大きなメリットです。デメリットとしては、メディアなどのコンテンツを作るのに時間を必要とし、効果が出るまでにも時間がかかるとされている点があります。コストと効果の計算も難しいため、検証しなければどのくらい効果が出るか明確ではありません。
デジタルマーケティングにおいて、それなりの費用がかかるものの即効性がありマス向けのアウトバウンドマーケティングを採用するか、安い費用で潜在顧客から能動的に企業の商品やサービスに惹きつける仕組みを作るインバウンドマーケティングを採用するかによって、取るべき戦略や確保するべき予算・期間は異なってきます。上記に挙げた通りアウトバウンドマーケティングとインバウンドマーケティングは、各々メリットとデメリットがありますので、企業にあった方を選びましょう。
デジタルマーケティングの効果が出るまでの時間
デジタルマーケティングはオフラインではなくオンラインが中心となるので、効果測定をリアルタイムにすることができ、成果が出るのは早いと考えられます。しかし、マーケティング戦略やその規模感によってはっきりとした効果が出る時間は短いのもあれば長い時間を要するものまであり特徴はさまざまです。短期間で効果を得られるようにするには、ペルソナ設定をして顧客のニーズに刺さるような広告をターゲットとなる顧客に打つことで、商品やサービスの認知から購買までの道のりを短くすることが重要となります。コンテンツやメディアのSEO対策に注力することで、顧客となる人により認知されやすくなります。
マーケティングツールを活用
デジタルマーケティングでは、定量的なデータを分析し成果をあげるためのプロセスを考える必要があるので、マーケティングツールで最新のテクノロジーを活用することで効果的かつ効率的なマーケティング戦略を実施することが可能となります。
デジタルマーケティングでは、Google AnalyticsやSearch Consoleなどの分析ツール、マーケティングを自動化してくれるツールのMA(マーケティングオートメーション)やインターネット上のデータを管理するデータマネジメントプラットフォーム(DMP)といった様々なツールを上手く活用することで、データを適切に管理することができ、マーケティング施策がより顧客に響きやすくなることで販売促進にも繋がります。
デジタルマーケティングが必要とされる理由
広告やWebサイト、SNSなど、商品やサービスを売るチャネルが多ければ、顧客となる人が集まりやすく販売促進に繋げやすいです。現在では、単一の媒体で商品やサービスを購入するということは少なくなってきています。顧客が企業の広告などを見て、商品を実際に体験するために実店舗に行き、そこで商品が本当に欲しいと思ったら同じ商品をより安価で扱っているネットショップで購入するなど、商品を認知してからあらゆるチャネルを触れたのちに購入します。このような全てのチャネルが繋がった状態で顧客に商品やサービスのアプローチをする「オムニチャネル」がスマートフォンの普及により広がりました。デジタルマーケティングでは、ネット上の店舗(オンライン店舗)で顧客が商品の情報接触行動することによってリアルに存在する店舗(オフライン店舗)における購買行動に強い影響を与えるO2O(Online to Offline)を可能にし、オンラインとオフラインを超えてに商品やサービスの情報を届け申し込みや購入に繋げることができます。
デジタルマーケティングの今後や将来
テクノロジーは日々急速に進化しており、当たり前ですがマーケティング戦略にも大きく影響をもたらします。その中で今後は、顧客が商品やサービスの価値だけではなくCX(ユーザーエクスペリエンス:顧客経験価値)が重要となります。そこで、上記にもある「O2O」や「オムニチャネル」が発展することで生まれた「OMO(Online Merges with Offline)」が主流となり、オンライン(ネット世界)とオフライン(リアル世界)が一体化し、オンラインやオフラインにこだわらないことで効率の良い体験が出来るようになります。OMOでは、オフラインでの購入も電子決済によりオンライン上にデータが収集されることで、顧客のデータからどこから認知してどのような行動をして購入まで至ったのかが分析することができ、より高いレベルのマーケティング施策を打ち出すことができるようになります。対して顧客は、スマートフォン1つで簡単に買い物やサービスを体験できるようになります。
まとめ
スマートフォンの登場により、消費者は企業の商品やサービスの情報をすぐにインターネットで調べることができるようになりました。そのため、企業側は顧客のニーズに合ったものを届けて購買に繋げるために複数のチャネルを使い、顧客とのコミュニケーションを作っていくことが必要になっています。また、顧客のニーズに合った商品やサービスなどは勿論のこと、CXの向上や経験を得るためのシステム構築も重要となってきます。AIなどのテクノロジーは、早いスピードで日に日に進化し続けているので、情報をキャッチするためのアンテナを張ることが必要です。逆を言えば、最新情報をキャッチできていれば、マーケティング戦略に組み込み、顧客に合った発信が可能です。デジタルマーケティングでは、最新テクノロジーによってあらゆるチャネルを一元管理することでターゲットとなる顧客を絞り込み、より効果的なマーケティング施策を打つことが可能となります。